Forestier

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Posted by 蘇 芳 on  | 

soliste




海図に記されたのは
風のメソッド
癖のある文字で書かれた
暗号と草案

完全なルートなど無いものだよと
傷つくことさえも代償のように笑う


ああ
そうだね
いつだって平気そうな顔をして
痛みと成就は等価だと
また白い帆を立てるんだろう











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Category : storytellerⅡ
Posted by 蘇 芳 on  | 4 comments 

夏の微かに




耳をすませてごらん

聞こえるだろう
羽化する天使の翅の音が
月の引力に従う 森の覚醒が

この夜のどこかで
息づく君を想うと震える
淡翅の影


ほら
ごらん

隙を窺いながら満ちる
月齢14.9

漆黒の右手が鏃をつがえ
ぎりぎりに引き絞られた光の征矢は
風を連れ
躊躇いもなく この世界を射抜いてく


夏の微かに
浮かび上がる描線と
光が統べる
繭糸の髪を滲ませながら
君は視線を合わせ
僕の心臓を
一度だけ止めた





Category : storytellerⅡ
Posted by 蘇 芳 on  | 

眠りに放つ




濡羽色の髪を
ゆるい風に預けて
窓辺にうつむく項


徒に触れると嫌がる
眠れる君の頬に挨拶を交わすと
吐息に纏わりつく
ダージリンの香が揺れた


囈言


微睡みの中にまで
持ってはゆけない 嘘を置き去りにして
隙だらけの夢に支配されながら
君は此処で
何を手放すのか















Category : storytellerⅡ
Posted by 蘇 芳 on  | 

Draw



翠緑の淵で手に触れた
野茨の棘にキスをする
一瞬の抗いに
唇を赤く滲ませても
何食わぬ顔で視線を合わせた

殊勝なふりをして
非道いな、などと
思ってもいないくせに
見透かしたように笑うのは
今に始まったことじゃない

観念するほどの至情
タチの悪い距離感
そんなものを侍らせながら
悪ふざけだよと
一変して引潮のように遠ざかる


読めない謀
暗黙の聖域

その境界を毀したら
いったいどんな顔をするだろう       
       







Category : storytellerⅡ
Posted by 蘇 芳 on  | 

out of the blue



唐突に囁く
優しい呪縛


気化した汗から漂う
ラベンダーの香


少し首を傾ければ
聞こえる心臓の音に
安堵する
距離


out of the blue


音の無い午后に囚われた
刹那という永遠




















Category : storytellerⅡ
Posted by 蘇 芳 on  | 2 comments 
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